平成19年は、非正社員の地位向上のための法的整備という点では、転換点となる年であった。格差社会の問題が喧伝され、その是正の必要性が強く主張されていたことが大きく影響している。こうして、パート労働法は改正され、最低賃金法も改正された。改正パート労働法では、正社員と同視すべきパート社員と正社員との均等待遇が義務として定められた(8条)。また、それ以外のパート社員についても、正社員との均衡を考慮して賃金などを決定するよう努めるものとされた(9条以下)。
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平成20年から施行されている労働契約法にも、「労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し。又は変更すべきものとする。」という規定が入った(3条2項)。ここでのキーワードは「均衡」だ。「均衡」とは、いったいどういう意味なのか。パート労働法は、正社員と同視すべきパート社員は、正社員と「均等」に扱わなければならないとした。「均等」は、概念としてはわかりやすい。差別をしてはならないということだ。しかし、「均衡」は、これとは異なる。正社員とパート社員との間に差異があることを前提に、釣り合いがとれたものにするようにせよ、ということである。では、具体的に、どのようにすれば釣り合いがとれたことになるのか。